寿命は14~17歳と、猫の平均寿命(15歳)より長めのブリティッシュショートヘア。体はたくましく丈夫ではありますが、気を付けなくてはならない病気ももちろんあります。
今回は、ブリティッシュショートヘアがかかりやすい病気について。対策とともに詳しくご紹介したいと思います。
- ブリティッシュショートヘアがかかる遺伝病
- 生活の中でなりやすい病気
- 日常生活の中でできる対策
それでは、順番に見ていきましょう。
ブリティッシュショートヘアがかかる遺伝病
一時はイギリスの食糧難で、絶滅にまで追い込まれた歴史を持つブリティッシュショートヘア。その後、後世に残すためにペルシャ猫との交配が行われた関係で、ペルシャ系にありがちな遺伝病にかかる可能性があります。
遺伝性の病気は少ないですが、以下の病気には注意が必要です。
肥大性心筋症(ひだいせいしんきんしょう)
- 症状:体調不良でじっとしている・後ろ足を痛がる・呼吸が荒い/呼吸困難・起き上がれず苦しそう
遺伝性の心臓の病気で死をも引き起こす可能性のある病気。中年期から老年期の猫や、雄猫によく見られる病気で、心不全や手足の麻痺を引き起こします。
ペルシャ・ヒマラヤン・メインクーンなど特定の猫種にありがちな病気で、しかも遺伝性のため、定期的な健康診断で体調を見てあげることが大切。異常があれば一刻も早く病院に連れていくしか方法はありません。
ブリティッシュショートヘアは以前、交配の過程でペルシャの血筋も混ざっている猫がいるので、その影響も関係しているかもしれません。
生活の中でなりやすい病気
次に、遺伝ではないですが、ブリティッシュショートヘアが日常生活の中で気をつけなければならない病気をご紹介します。
- 糖尿病
- 皮膚病
- 尿路結石
以下、詳しく見ていきましょう。
糖尿病
- 症状:水をたくさん飲む/おしっこの量や回数が増える/食べているのに体重が減る
肥満や感染症、妊娠、ストレスなどにより起こる、尿に糖が混ざる病気。ホルモンの1つであるインスリンの働きが悪くなる状態です。
ブリティッシュショートヘアは活発に運動する時期を越えて、運動不足になると肥満やストレスが大きく影響して糖尿病になりやすいです。
血糖値が病的に高い状態になり、肥満だった愛猫がぐったりとして、昏睡状態になってしまうことも。体重管理や食事管理に気を付けましょう。
皮膚病
- 症状:毛が抜ける・ハゲる・フケ・かゆがる・湿疹・しこり
ブリティッシュショートヘアは皮膚病にもなりやすい猫種といわれています。皮膚病に関しては、フードの栄養の偏り・ストレス・ノミやダニ・アレルギーなど様々な原因が考えられ、いつ症状が出てもおかしくはありません。
体をかゆがったり、炎症を起こしている時は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
尿路結石
- 症状:トイレが長い・頻尿・トイレに行くのにおしっこをしていない・お腹が膨らんでいる
泌尿器系を代表する猫にありがちな病気が尿路結石。尿路結石とは、腎臓・尿管・膀胱・尿道の中に結石ができる病気です。結石は数ミリから数センチの大きさになるものまで。
気付かずに放置すると、おしっこが詰まってしまい、腎不全や尿毒症を引き起こし最悪の場合は死に至ります。
日常生活の中でできる対策
それでは最後に、ブリティッシュショートヘアを飼う上で、予期せぬ病気を避けるためにできる対策を見ていきましょう。
- 肥満やストレスの原因となる運動不足を解消/住環境の改善
- 栄養たっぷりのフードで体調管理
- 消化不良や糖尿病の原因となりやすい炭水化物多用フードを避ける
- 尿結石予防機能がついたフードを活用
肥満やストレスの原因となる運動不足を解消/住環境の改善
筋肉質な体質のブリティッシュショートヘアにとって適度な運動は必須。若い頃は元気に遊び回り、一人遊びも得意なので安心ですが、問題なのは年齢を重ねて運動量が減っていくとき。
キャットタワーやおもちゃを利用して体を適度に動かしてあげましょう。
また、自立心が強いブリティッシュショートヘアにとって、人間との距離があまりにも近かったり、無理なスキンシップはストレスの元に。好きなように自由に過ごさせてあげることが大切です。
栄養たっぷりのフードで体調管理
皮膚炎の原因としてフードの栄養の偏りが挙げられます。完全肉食動物の猫は、主原料には肉・魚といった動物性タンパク源。さらに野菜や果物からとれるビタミン、適度なミネラルなどのバランスが非常に大切となります。
また、反対に猫の体内で消化しづらい穀類などが多いフードは栄養失調を引き起こし、さらに皮膚にも影響しかねません。
フードは肉・魚がメインが基本!栄養バランスの整った良質なものをあげましょう。
消化不良や糖尿病の原因となりやすい炭水化物多用フードを避ける
糖尿病の原因として挙げられるのが、炭水化物の過剰摂取。
炭水化物は猫の体内で消化しづらく、体の負担になってしまいます。特に米やトウモロコシ等の穀類に含まれる炭水化物は、素早く分解して血糖を急上昇させるので肥満や糖尿病の大きな原因に。
フードを選ぶ際には、低炭水化物がマスト!イネ科の穀物不使用のグレインフリーキャットフードもおすすめです。
尿結石予防機能がついたフードを活用
尿路結石はどの猫も(特にオス猫)なりやすいとされているありがちな病気。尿路結石予防の機能を持つフードを日常的に食べさせることは効果的です。
尿路結石の原因はアルカリ性の尿なので、尿を酸性に保つ効果があるビタミンC配合(クランベリーなど)のキャットフードを選ぶのも良いでしょう。
まとめ
以上、ブリティッシュショートヘアがかかりやすい病気について。対策とともに詳しくご紹介しました。
遺伝病は少ないですが、日常生活の中でかかりやすい病気に関しては、非常に注意が必要ですね。適度な運動はもちろんのこと、何よりも日々の食事に気を付けることで、だいぶ体調管理ができそうです。
運動をさせるよう促す工夫と、毎日の良質な食事で、愛猫の健康を保ちましょう。
ブリティッシュショートヘアを飼っている方、これから飼いたい方、是非参考にしてみて下さい!