人間にとっても猫にとっても健康維持に重要な栄養素といえば「ミネラル」。
とはいっても、「ミネラル」の過剰摂取は良くありません。特に腎臓の機能が低下している猫ちゃんにとって過剰摂取禁物なのが「リン」です。
今回は、腎臓サポートに最適な【低リン】フードについて。選ぶときのポイントとおすすめのキャットフードをランキング形式でご紹介したいと思います。
[Photo by Hebe Aguilera]
キャットフードに含まれるリンとは?
まず最初に、ミネラル分として含まれている「リン」は、強い歯や骨を作り、神経の機能を維持する働きを持っています。
健康であれば、リンの摂取はしっかりとした骨格を作る上でとても大切なのですが、腎臓が弱っている状態の猫ちゃんにとっては悪影響。リンは腎臓機能が低下すると体内で上手く分解・排泄できず、不要物が身体にたまってしまうのです。
腎臓病にはもちろん、腎臓ケアが必要な猫ちゃんには、【低リン】のフード(リンの数値が低い)を選びましょう。
低リンのおすすめキャットフード
- リンとカルシウムのバランスが良い
- 適切なタンパク量
- 獣医師のアドバイス
この3つのポイントを考慮した上で、おすすめキャットフードをいくつかご紹介します。
3位:ロイヤルカナン 腎臓サポート スペシャルドライ
- ランク:Dランク
- 1kgあたりのコスパ:¥1,800~
- リンの含有量:0.45g
リンの含有量を0.45gに制限した、慢性腎臓病の療法食『ロイヤルカナン』の「腎臓サポート スペシャルドライ」。
腎臓病に伴う尿毒症やタンパク尿に配慮し、消化性の高いタンパク(26.4g)を使用。カルシウム(0.6g)とのバランスもとれています。
一方、原材料に米やコーンが多いので穀類アレルギーの猫ちゃんは要注意。また、酸化防止剤として強い合成のBHAが使われているので、異常を感じたら使用を辞め、医師に相談してみましょう。
2位:FORZA10 リナール・アクティブ(腎臓)
- ランク:Bランク
- 1kgあたりのコスパ:¥2,500~
- リンの含有量:0.8g
リンの含有量を0.8gに調整した急性腎不全・慢性腎不全用の食事療法食、『FORZA10(フォルツァディエチ)』の「リナール・アクティブ」。
高品質なタンパク原料(26%)を使用し、腎臓の作業量とストレスを減らし、負担を減らしてくれます。
リン(0.8)とカルシウム(0.14)のバランスも良く、フィトケミカル成分(植物栄養素)配合で、腎機能・泌尿器機能の健康維持に効果的。
イタリアの獣医師チームがおすすめするナチュラル食事療法食というだけあって、頼ってみたくなるフードですね。
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1位:アニモンダ インテグラ・プロテクト ニーレン(腎臓ケア)
- ランク:Cランク
- 1kgあたりのコスパ:¥2,500~
- リンの含有量:0.35g
リンの数値を0.35gと最小に抑えた腎臓ケアフード、『アニモンダ』の「インテグラ・プロテクト ニーレン」。
リン(0.35g)とカルシウム(0.6g)の比率は若干カルシウムが高めですが、リンが少ないので腎臓ケアとしては問題ないでしょう。タンパク質が少なく(22g)、腎臓が弱ることで生成されにくくなるビタミンD3を多めに配合しています。
ライスやコーンがメインですが、全ての材料に人間用と同じ食材を使用しているヒューマングレードのフードなので安心できます。
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低リンのキャットフードを選ぶときのポイント
低リンのキャットフードを選ぶときのポイントは以下の3つです。
リンとカルシウムのバランスが良いものを選ぶ
「リン」を説明する上で欠かせないのが「カルシウム」の存在。この「リン」と「カルシウム」のバランスが非常に重要になります。(リン:カルシウムの割合が【1:1.2~1.5】くらいが目安 )
【低リン】に加えて、リンとカルシウムの比率が適切かどうか、原材料・成分欄を今一度チェックしてみましょう。
リンの含有量が多すぎると、結石や腎臓病悪化の原因に。リンとカルシウムのバランスをとりつつ、リンを最小限に抑えているものが良いですね。
適切なタンパク量を含むものを選ぶ
腎臓病にかかっている猫ちゃんの体内では、タンパク質が上手く分解されずに老廃物や有毒物質となってしまいます。かと言って、完全肉食動物の猫にとってタンパク源は最も重要な栄養素。摂らないわけにはいきません。
“適切な”というのは非常にあいまいな表現なのですが、多すぎず少なすぎず、20~30%くらいの目安が理想です。成長期や活発な猫ちゃんにあげるような30%を余裕で超える高タンパクフードは避けましょう。
獣医師に相談して選ぶ
リンやカルシウムの数値の調整やタンパク質の割合など、特に療法食に関しては飼い主が独断で決めるわけにはいきません。
特に、腎臓病の疑いがある、腎機能が低下している猫ちゃんは、まずはかかりつけの獣医さんに相談して、プロの意見としておすすめのフード・効果的なフードがあるか聞いてみましょう。