猫が元気に健康で生きていくために大事なことの一つ、水分補給。お水を飲むのはもちろんですが、水以外にも子猫にミルクをあげているシーンはテレビなどでもよく見かける光景ですよね。
動物も人間も、赤ちゃんには牛乳というイメージが大きいのは確かですが、はたして牛乳をあげることは、猫の身体にとって大丈夫なのか、どんな影響があるのか知っておきたいですよね。
今回は、猫にあげる飲み物のまとめ。牛乳を含め、猫にあげる飲み物に関する注意点について説明したいと思います。
[Photo by Dave Dugdale]
1.猫にあげる飲み物 / お水をあげる際のポイントと注意点
人間と同じように、猫にとっても水分補給は大事。元々、乾燥地帯でも生きていけるように、体内水分のサイクル能力が高いという特徴がある猫ですが、水分不足が原因で尿路結石症などの病気にかかりやすいのも事実です。
猫にあげる飲み物として1番良いものはやっぱり水。ここでは簡単に基本的な水のあげ方と、あまり水を飲まない猫への対策例をいくつか見ていきましょう。
基本的な水のあげ方
- 常温の水を与える(冷蔵庫の水や水道から出したばかりの水は冷たすぎ)
- ひげが水に当たらないような広めの容器を選ぶ
- お水は1か所ではなく数か所に分けて置いておく
- ドライフードは水分が10%と少ないので、必ず隣に水を準備
水を飲まない猫への工夫例
- 水道水特有のカルキ臭を嫌がっている場合もあるので、炭などで水をあげる前に消臭
- 水分を多く含む、缶詰・パウチ・スープタイプのキャットフードをあげてみる
- いつものドライフードにお湯や、ウェットフードをかけて水分を増やしてみる(食欲不振の猫にも有効)
- 魚や肉の煮汁をあげてみる
ミネラルウォーターをあげてもいいの?
猫は尿を高濃度に濃縮して排泄します。そのため余分なミネラルが加わると尿中に結石が出てきます。ミネラルウォーターを与える場合は、ミネラルが100mg/L以上の硬水はダメ、軟水のものを与えるようにしましょう。
基本的に日本の水道水は硬度があまり高くないと言われていますが、地域によって高い場合もあります。心配であれば、水道局などに問い合わせてみましょう。
2.猫にあげても大丈夫な飲み物って何?
ここからは猫にあげても大丈夫な飲み物なのか危険な飲み物なのか、どんな症状を引き起こすのかを見ていきましょう。
猫に牛乳をあげてもいいの?
[出典:http://www.amazon.co.jp/dp/B006T7FTZY]
ドラマやアニメなどでよく見かける子猫にミルクをあげるシーンを見ますが、実は猫に牛乳はあまりおすすめできません。猫は牛乳に含まれている乳糖を消化することができないので、飲むと体調を崩して下痢などになってしまいます。
水のように毎日与えていると肝臓や腎臓、肥満などの原因になる可能性も高いです。
乳糖が調整され、栄養バランスが整っている猫用のミルクであれば大丈夫。栄養・水分補給のため、猫のお腹に優しいものを与えましょう。
- 引き起こす症状/病気:下痢、肥満
猫にコーヒー・紅茶・お茶をあげてもいいの?
『飼う前に知っておくべき!猫にあげると危険な食べ物』の記事でもご紹介した通り、コーヒー・お茶などのカフェインを含むものは猫にあげると非常に危険です。
カフェインは中枢神経に対する強い興奮作用があり、体の小さな猫が体内に摂取すると、体調不良の原因に。さらに怖いのがカフェイン中毒になってしまうこと。落ち着きがなくなり、尿失禁や頻尿に。さらに重度になると筋肉の攣縮やけいれん発作を引き起こすことも。カフェインにはかなり注意が必要です。
コーヒー・紅茶・緑茶以外にも、コーラやコーヒー味のアイスにもカフェインが含まれているので注意して下さい。
⇒誤って飲んでしまったら飲んでしまったものを持ってすぐに病院へ!
- 引き起こす症状/病気:体調不良、カフェイン中毒、尿失禁、頻尿、頻脈、高体温、筋肉の攣縮(れんしゅく)、けいれん発作など
猫にジュースをあげてもいいの?
ミルク同様、人間の飲むジュースは猫に与えてはいけません。栄養上の問題はもちろん、ネコにとって毒性のある物質、カフェイン、チョコレート成分、アルコールはとても危険。
チョコレート・ココアなどのカカオ系の飲み物は、下痢や嘔吐などの中毒の原因に。コカ・コーラにはカフェインが入っているので、コーヒー・紅茶同様かなり危険。アルコールは嘔吐や下痢、最悪の場合死に至ることも。
これは良い、アレはダメと考えていてもキリがないので、基本的に人間が飲むものは与えないようにしましょう。
- 引き起こす症状/病気:体調不良、下痢、嘔吐、肥満
猫にスポーツ飲料をあげてもいいの?
[出典:http://www.amazon.co.jp/dp/B0012UO814]
人間用の製品は、猫の体内浸透圧と異なるためおすすめできませんが、猫用のスポーツ飲料なら熱中症対策としておすすめです。
上の画像の「ペットスエット」は、ペットの体液に近い電解質組成で水分・ミネラルをすばやく補給することができる猫用のスポーツドリンク。お腹の環境を健康に保つオリゴ糖(ラクトスクロース)も配合されています。
爽やかなヨーグルト風味(人間用の乳酸飲料を薄めたような味)で猫にも飲みやすく、夏バテ対策にいいのではないでしょうか。
まとめ
以上、猫にあげる飲み物のまとめ。牛乳を含め、猫にあげる飲み物に関する注意点についてお話ししました。
☑新鮮で常温のお水をあげること
☑水分不足⇒尿路結石症などの病気の原因に
- ミネラルウォーター・・・△ なるべくあげない。あげるなら必ず軟水のものを
- 牛乳・・・△ 人間用のものは下痢や肥満の原因に。猫用に調整されたものなら◎
- コーヒー・紅茶・緑茶・・・✕ カフェイン中毒はかなり危険
- ジュース・・・✕ カフェイン、カカオ、アルコールを含むものはかなり危険
- スポーツ飲料・・・△人間用のものはダメだが、ペット用のスポーツドリンクは熱中症対策に◎
基本的に人間の飲み物は猫にはあげない、常に新鮮なお水を用意しておくことが鉄則ですね。
上記をしっかり頭に入れて、猫の健康のために参考にしてみて下さい!