猫にとって、油脂はエネルギー源や必須脂肪酸を摂取するためにとても大切。
とはいっても、油脂であればなんでも良いわけではありません。質の悪い油脂を使ったフードを食べていると、必須脂肪酸を摂取できないどころか思わぬ病気や不調を引き起こすこともあるのです。
今回は、キャットフードに含まれる油脂類について。動物性油脂と植物性油脂を比較して、特徴と違いを詳しくご紹介したいと思います。
猫をこよなく愛し、毎日愛猫・ピノの体に顔を埋めています。 「より専門的な知識を身につけて愛猫に元気でいてもらいたい!」という思いから、ペットフード/ペットマナー検定の資格を取得しました。
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1.動物性油脂とは
動物性油脂とは、動物の体内に主に含まれている脂のこと。
【例】牛脂、豚脂、チキンオイルなど
酸化・劣化が早い
動物性油脂の一番の特徴は、酸化・劣化が早いということ。また、腐敗した動物性脂肪によって、鼓腸症やガン、肝臓の病気の原因になることもあります。
保存料や酸化防止剤が使われていることがほとんど
フードに加工する段階からすでに酸化が始まるので、動物性油脂が使用されているキャットフードにはほとんどの確率で保存料・酸化防止剤が使われています。
さらに怖いのは、動物性油脂用に使った酸化防止剤は表記の義務がないということ。動物性油脂を用いている以上、強い合成の酸化防止剤が使われていても決しておかしくはありません。
表記があいまいだと何の動物が使われているのかわからない
原材料に「動物性油脂」とだけ書かれたものは特に危険です。
上で説明したように、酸化防止剤が用いられているのはもちろんのこと、それが何の動物のものなのか、健康な動物だったのか、病死した動物だったのかなどがわからなければ、信用のしようがありません。
2.植物性油脂とは
植物性油脂とは、植物に含まれる脂肪を抽出、精製した油のこと。
【例】大豆油、菜種油、オリーブ油、フラックスオイル(亜麻仁油)、カノラオイルなど
動物性油脂に比べて酸化・劣化が遅い
酸化しやすい動物性油脂に比べて、酸化防止剤を用いずに使用できる植物性油脂の方が安心できると言われています。
表記があいまいだと何の植物が使われているのかわからない
ただし、植物性油脂といってもどんなものでも良いわけではもちろんありません。動物性油脂と同じく、油脂に関する詳細が明記していないものに関しては注意が必要です。
圧搾法で精製された植物性油脂は危険
高温状態で圧搾を行うため、製造過程でビタミン・ミネラルが大幅に失われる圧搾法。さらに、有害な薬剤を使うことが多く、残留した化学薬品が猫の健康に害を及ぼす可能性が高いです。
必須脂肪酸をより含む油脂で、一番搾りのものが良い
熱を加えずに冷圧法によって油を抽出する冷却圧搾法が好ましいです。これならビタミンが失われるのを防ぎ、必須脂肪酸も残った状態。さらに、植物油、とくに種子油は酸化を防ぐ天然物質のビタミンEを含んでいるので変質しにくい効果も。
※ただし、上の加熱を伴う圧搾法を用いた場合、化学薬品の影響で天然物質も失われ、結局は酸化防止剤の添加が必要となってしまいます。これではせっかくの植物性油脂も、動物性油脂と変わりません。
オメガ3・オメガ6の適切なバランスがとれていることが必要
植物性油脂の中でも、必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6のバランスがとれているものを選びましょう。
大豆油、コーン油などはオメガ6(リノール酸やオレイン酸)の割合が高くオメガ3とのバランスがとれていないと言われています。
好ましいのはフラックスオイル(亜麻仁油)や、カノラオイル、グレープシードオイルですが、高価なので安いキャットフードにはまず使用されていません。
まとめ
以上、キャットフードに含まれる油脂類について。動物性油脂と植物性油脂を比較して、特徴と違いを詳しくご紹介しました。
☑動物性油脂は使われていない方が良い!使われていた場合、詳細が明記されているかは必ずチェック!
✕動物性油脂についての詳細の表記がない
✕値段が安い
✕酸化防止剤が多量に使われている
✕動物性油脂用に使われた酸化防止剤の表記がない
☑植物性油脂は冷却圧搾法で精製された、必須脂肪酸をバランスよく含んだものが理想!
✕動物性油脂についての詳細の表記がない
✕値段が安い
✕酸化防止剤が使われている=圧搾法で化学薬品が使われている
こうなってくるともう完璧に良いものなんて存在しないんじゃないかと思ってしまうほど条件だらけではありますが、少なくとも上の✕印をつけたものが良くないということはわかりますよね。
原材料における重要なポイントを理解した上で、適切なキャットフードを選びましょう!
そんなお悩みをお持ちの方には、以下のフードをおすすめします。
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