人間にとっても猫にとっても健康維持に重要な栄養素といえば「ミネラル」。
しかし、ミネラルはバランスよく摂取することで初めて効果を発揮。逆に過剰摂取は、病気の原因になりかねません。
今回は“摂りすぎ注意”で有名なマグネシウムについて。【低マグネシウム】のキャットフードを選ぶときのポイントと、おすすめのフードをランキング形式でご紹介したいと思います。
[Photo by K-nekoTR]
キャットフードに含まれるマグネシウムとは?
マグネシウムはミネラル分の一つで、骨や歯をつくる働き、神経伝達物質の生成、代謝の促進など健康には欠かせない成分です。
マグネシウムが不足すると、心疾患・発育不全・筋肉の痙攣など猫ちゃんの健康に大きく影響するので、特に成長期の子猫には大切な栄養分なのです。
しかしその反面、マグネシウムを摂りすぎてしまうと尿路結石の原因となったり、腎臓や肝臓の弱い猫ちゃんは体内でうまく分解・排泄できず、有毒物質となって体内にたまってしまうことも。
特に、尿路結石は健康な猫でも突然かかる可能性がある病気。今は治っていても再発の恐れがある成猫には、【低マグネシウム】のフードがおすすめです。
低マグネシウムのおすすめキャットフード
- マグネシウム量:~0.09%
- 動物性タンパク源
- 尿を酸性に保つ原材料
この3つのポイントを考慮した上で、おすすめキャットフードをいくつかご紹介します。
3位:ロイヤルカナン pHコントロール オルファクトリー
- ランク:Dランク
- 1日あたりのコスパ:¥2,000~
- マグネシウムの含有量:0.08%
下部尿路疾患(ストルバイト結石症およびシュウ酸カルシウム結石症)の猫のための食事療法食『ロイヤルカナン』の「pHコントロール オルファクトリー」。
マグネシウム量は0.08%に制限。ミネラルバランスを調整することで、尿を健康的な弱酸性に保つ効果のあるフードです。
主原料に動物性タンパク源の魚肉を使い、食いつきも良いと評判も良いフードですが、BHA、没食子酸プロピルなどの合成の酸化防止剤が使われているのも事実なので、その後の猫の体調変化には十分な注意を払いましょう。
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2位:FORZA10 ウリナリーアクティブ
- ランク:Bランク
- 1日あたりのコスパ:¥3,000~
- マグネシウムの含有量:0.05%
イタリアの獣医師チームがおすすめするナチュラル食事療法食『FORZA10(フォルツァディエチ)』のストルバイト結石用の療養食「ウリナリーアクティブ」。
低マグネシウム(0.05%)に加えて低リン(0.08%)でミネラルが結石になるのを防止。DLメチオニン(酸性化するアミノ酸)やクランベリーにより酸性の尿を生成します。
主原料は米・ポテトですが、動物性タンパク源として消化に優れた魚のタンパクをたっぷり使用しています。
(※ストルバイト結石専用)
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1位:カナガン
- ランク:Sランク
- 1kgあたりのコスパ:¥2,640
- マグネシウムの含有量:0.09%
“お肉たっぷり・100%無添加・穀物不使用(グレインフリー)”の3拍子がそろったSランクのプレミアムフード「カナガン」、実は低マグネシウム(0.09%)のキャットフードなのです。
マグネシウム量を0.09%に抑え、主原料は動物性タンパク源のチキンをたっぷり使用。消化に悪い上、尿がアルカリ性になりやすい穀類は一切使っておらず、全ての猫ちゃんに安心して食べてもらえるフードです。
尿路結石予防に役立つビタミンCを豊富に含んだクランベリー配合。毎日の食事で自然の栄養をたっぷり摂取しながら、結石予防もできるおすすめのスーパーフードです。
低マグネシウムのキャットフードを選ぶときのポイント
低マグネシウムのキャットフードを選ぶときのポイントは以下の3つです。
定められた摂取量範囲内での【低マグネシウム】
AAFCO(米国飼料検査官協会)が定めている栄養基準で、マグネシウムの最低摂取量は【子猫用:0.08%以上/成猫用:0.04%以上】。
これを上回る数値で、0.09%くらいか、それ以下のものが【低マグネシウム】とされています。”0.09%”を目安に選んでみましょう。
動物性タンパク源を含んだものを選ぶ
【低マグネシウム】と並行して大切なのは、完全肉食動物の猫にとって最も大切な栄養素【タンパク源】。
尿路結石の原因であるリン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト)が溶けるのは酸性の尿だけ。動物性のタンパク源(肉や魚)は尿を酸性に傾ける効果があるので、肉や魚を主原料にたっぷり使っているフードを選びましょう。
反対に、穀物が多いキャットフードは植物性タンパク源が多くなり、尿がアルカリ性になりやすくなってしまいます。
尿を酸性に保つ機能があるものを選ぶ
動物性タンパク質のように、尿路結石になりやすい猫ちゃんにとって、低マグネシウムと共に尿を酸性に保つ効果のある原材料を摂取することがとても大切。(例:クランベリーなど)
また、pHコントロール(尿をアルカリ性から酸性に変えること)機能のあるフードも効果的です。